- LightshipのVPS(ビジュアルポジショニングシステム)によって、ユーザーの現在の位置と向きを判断し、ARコンテンツをセンチメートル単位の精度で固定し、世界規模のリアルな没入型ARを実現
- Niantic の世界のARマップにロケーションを追加し、ロケーションベースのAR(拡張現実)チャンネルアプリや体験を構築可能に
- 東京、サンフランシスコ、ロンドン、ロサンゼルス、ニューヨーク、シアトルの30,000以上のパブリックロケーションがVPSに対応
- Lightship VPSのデモパートナーとして、JR Reality(Superblue)、AREALM(FoundrySix)、Pixelynx、集英社XR、Rhizomatiks、Liquid City、TRIPPが参画
- Niantic はリアルワールドメタバース(現実世界でのメタバース)のソーシャルアプリケーション、Campfireを発表。CampfireはNiantic のゲームをつなぎ、プレイヤーはその中で新しいユーザーや場所と出会い、経験を創出可能に
- 8th Wallが、新しい料金体系とともに、個人開発者がWeb ARでビジネスを構築するために必要な機能をすべて実装した強力なマネタイズおよび配布機能を発表。さらに、Lightship VPSをブラウザー上で使用するためのプレビューを公開
*Niantic Venturesが、最初の資金提供先としてTRIPPとPixelynxの2社を発表 - 日本でも6月24日(金)に東京・原宿にて開発者向けのイベントを開催。詳細は追ってご案内予定
Niantic はAR開発者コミュニティを対象に、サンフランシスコにて、2日間にわたるカンファレンス「Lightship Summit」を開催しました。今回、Lightship ビジュアル ポジショニング システム(VPS)をすべての開発者の皆さんに開放したことで、30,000以上のVPSの場所を開発者の方々がすぐに活用いただけるようになり、また、ご自分の場所をダイナミックなAR世界地図にすばやく追加いただけるようになりました。また、会場では、VPSを現実世界で利用できるよう、本日のリリースに先駆けてプライベートベータ版に参加くださったパートナー企業の方々のVPS対応アプリを体験していただきました。
また、Nianticの考える現実世界でのメタバース「リアルワールドメタバース」で利用できるよう、ソーシャルアプリケーション「Campfire(キャンプファイア)」のプレビュー版もご案内しました。CampfireはNiantic のゲームをつなぎ、プレイヤーの方々はこのアプリを通して他のプレイヤーや場所、新たな体験と出会うことができます。一方、世界有数のWebAR開発プラットフォーム「8th Wall」は、クリエイター向けに新料金体系を発表しました。また、Niantic Venturesは、最初の資金提供先にTRIPPとPixelynxを選択したことを発表しました。
今回のLIghtship Summitは、1つのコミュニティとして空間コンピューティングの未来を共に築くための重要な一歩になったと考えています。
Lightship VPSのご紹介:現実世界のARへの鍵
Lightship VPSは、Lightshipプラットフォームのビジュアル ポジショニング システム(VPS)です。開発者は、Lightship VPSを使用して、プレイヤーの位置や向きを判断し、センチメートル単位の精度でARコンテンツを固定できるようになります。
この「ローカライゼーション」と「パーシステンス」という2つの機能が、現実世界で没入型AR体験を実現する大切な要素になります。現代の開発者は、現実世界にある自分の周囲のコンテンツを活用して、没入感の高い体験を現実世界で生み出したいと考えています。そのためには、まずユーザーの現在位置を正確に把握する必要があります。
Lightship VPSでは、この根本的な問題を解決するために、ユーザーが世界の中にいる場所でなく、体験を開始した瞬間や、体験の中で移動する際の向きを判断しています。
Lightship VPSの仕組み
VPSでユーザーを「ローカライズ」するためには、AR向けの新しいマップを作成する必要がありました。
このマップを作成するにあたり、Niantic の開発者をはじめ、測量士やプレイヤーの方々の力をお借りして現実世界にある場所のスキャンデータ(短い動画)を収集しました。収集したデータを加工して、現実世界のARマップを作成しました。場所がきちんとスキャンされるとLightship VPS上で有効化され、開発者の方々が実際のAR体験をつくれるようになります。
このVPSが作動した場所に向かい、デバイスを素早くローカライズすることで、持続的なARコンテンツとインタラクションすることができるようになりました。Lightship VPSは、ユーザーのカメラから送られた1枚の画像のみを使用し、迅速かつ正確に明確な6次元のロケーションを特定します。
新しいマップの作成
この世界の3Dマップの作成は、ARの中でも非常に大きな課題ですが、Niantic の開発者や測量士、そしてプレイヤーの方々で一丸となって取り組んできました。Niantic は、何年も前から、世界をマッピングし、現実の地球を舞台としたゲームボードを一緒に作っていただきたいと熱心なプレイヤーの皆さんに呼びかけてきました。Wayspotsと呼ぶ、『Ingress』や『Pokémon GO』の熱心なプレイヤーの皆さんからいただいた特定の場所は世界で1,700万件を超えています。さらに、全世界で撮影された写真やWayspotsの編集投稿も数百万件を超えています。
もちろん、すべての開発者のニーズを満たすマップを作るためには、開発者やプレイヤーのコミュニティの方々にだけに頼っていてはいけないことも理解しています。リリース対象の主要都市6か所で測量士プログラムを開始し、マップ作成の取り組みを拡大してきました。この取り組みは今後もさらに拡大していきます。
現在公開ベータ版のNiantic Wayfarerアプリを通じて、開発者の方々にもこのマップにご自分の作品に必要な場所を追加してもらえるよう呼びかけています。開発者の方々はご自分にとって最も重要な場所で体験を構築できるようになると同時
世界中の30,000のロケーションで利用可能、現在も拡大中
Niantic VPSは現在、6都市(サンフランシスコ、ロサンゼルス、シアトル、ニューヨーク、ロンドン、東京)の30,000以上のロケーションでご利用いただけます。これらのロケーションは、街並みなどではなく、公園や小道、目印となる建物、地元の企業など、一般の人がアクセスできる場所を集めています。
VPSに対応したそれぞれのロケーションは、「1箇所」といっても、実は複数のスキャンデータで構成されており、直径10mほどのエリアを形成しています。このような詳細度から、ユーザーがカメラをどこに向けていても、VPSに対応したロケーションの半径以内であれば、ユーザーの位置を正確に特定することができます。
Lightship VPSの利用について
Lightship VPSを使用してビルドを開始するには、開発者用アカウントを登録し、Lightship ARDKをダウンロードします。LightshipのARDKやVPSは、iOS、Android、Unityに対応しています。Lightship ARDKやLightship VPSの操作に慣れるために、VPSの専用テンプレートもご用意しています
Campfire(キャンプファイア)
新しい体験を作ると同時に、その体験の発見をサポートすることも重要になります。Niantic は、開発者の方々が人々が見たこともないような体験を生み出すだけでなく、その体験に共感してくれるユーザーを見つけ、実際のビジネスにつなげるお手伝いをしたいと考えています。Niantic のユーザーと開発者をつなげるためのソリューションとして、新しいソーシャル体験「Campfire」を発表しました。
Campfireは、マップを起点として、人やイベント、コミュニティと出会ったり、メッセージのやり取りができる、現実世界を中心に考えたソーシャルネットワークです。Niantic は、Campfireをリアルワールド メタバース(現実世界でのメタバース)の「ホームページ」の役割と考えています。プレイヤーはこの空間で、同じ地域のプレイヤーに出会い、互いにメッセージを送ってコンテンツを共有したり、独自のイベントやミートアップを開催したり、Niantic の取り組みの中核のひとつである現実世界でのソーシャルなつながりを育むことができます。
『Ingress』で公開されたCampfireは今後、Niantic のすべてのゲームタイトルでご利用いただけるようになります。Campfireが現実世界でゲームをプレイしたり、ミートアップやイベントを開催する楽しさを知り、現実世界をより楽しい空間にするために作られた作品と出会うための新たな手段となることを楽しみにしています。
8TH WALL
この3月、Niantic は、WebAR開発プラットフォームである8th Wallを買収しました。8th Wallは、Webベースの拡張現実(WebAR)の先駆者であり、開発者やブランド、代理店などが、モバイルデバイスを利用して簡単にアクセスできる、魅力的でインタラクティブなAR体験をアプリを使うことなく作成するためのツールセットを提供しています。
世界中の何百万人もの開発者がすでに慣れ親しんでいるWebフレームワークに同社の強力なAR技術を導入することで、小売、観光や旅行、エンターテインメント、自動車などの業界の企業などに使われています。
すでに世界各地の数千人の開発者が8th WallのWebAR技術を活用し、スーパーボウルのような大規模イベントでのトップブランドのグローバルキャンペーンなどを通じて、数百万人の消費者の方々にサービスを提供しています。このようなツールをさらに多くの開発者に提供するため、Lightship Summitの Day2 には、新しい価格体系と、強力なマネタイズおよび配信機能を発表する予定です。これらの機能には、個人開発者が8th Wallでビジネスを成功させるために必要なものがすべて揃っています。
最後に、8th Wallは、Lightship VPSチームと連携して、VPSをブラウザ上で利用できるようにしました。これについては2日目の基調講演でご案内予定です。VPSが8th Wallプラットフォームに組み込まれることで、WebARは真の意味でリアルワールドメタバースの構成要素となりました。
Niantic Venturesによる資金提供
昨年11月、Niantic は、未来のARリーダーを発掘し、資金を提供するために、Niantic Venturesを立ち上げました。ARエコシステムが発展するきっかけとなることを目指し、ベンチャー投資家やエンジェル投資家とともに、初期段階にあるARに関係する企業に共同投資を行っています。
今日は、Niantic Venturesの最初の投資先となる2つの企業をご紹介します。1社目はTRIPPです。TRIPPは、XRウェルネスにおいて受賞歴のある大手企業であり、臨床的に実証された測定可能なXRや、心身の健康を目的として設計されたモバイル体験を提供しています。また、同社は初期のVPSパートナーの1社でもあり、アプリを使用して瞑想すると、落ち着いたVR庭園に植物を植えることができるVR瞑想体験を構築しています。
2社目はPixelynxです。Pixelynxは、音楽やブロックチェーン、ゲームの境界領域をぼかすことに焦点を当てている新しいベンチャー企業です。Pixelynxは、deadmau5、リッチー・ホゥティン、Seven20、Graphite Mediaをはじめとする、ベテラン企業や音楽のビジョナリーによって設立され、Web 3.0やメタバースによって進化する音楽業界のあり方を再考することに情熱を注ぐアーティストやビジョナリー、スタートアップ企業のグローバルネットワークを構築しています。
リアルワールド メタバースで実現できることが何か、その限界を押し広げている私たちのコミュニティの一員でいてくださることに感謝します。開発者やプレイヤーの皆さんは、Niantic が作るものにおいて、欠かすことのできない大切な存在です。
-The Lightship Team