Augmented World Expoで、Nianticは新しいWebベースのビジュアルプラットフォームであるNiantic Studioを発表しました。Niantic Studioは無料で使用可能で、開発者、クリエイター、ブランドが、ほぼあらゆるデバイスでWebの遍在性を活かした没入感の高いXR体験を迅速に構築できるようにします
Nianticはまた、優れた3DスキャンツールであるScaniverseのアップデートも発表しました。このアップデートによって、デバイス上でのガウススプラットの処理が高速化し、誰でも非常にきめ細やかで高性能な3Dスキャンをキャプチャして共有できるようになります
Nianticブースではヘッドセット体験が関心を集めました。最近リリースされたMeta Quest 3用のHello DotやApple Vision Pro用のSkatrix Proを紹介したほか、Magic Leap 2で動作するNianticのVPSのデモを初めて公開しました
カリフォルニア州ロングビーチで開催されたAugmented World Expo 2024で、Nianticはまったく新しいビジュアルエディターであるNiantic Studio、さらに現実世界の物体や場所をスキャンするツールのアップデートを発表しました。これにより、仮想世界と現実世界の融合が従来以上にシームレスになります。今回紹介した新しいツールやアップデートの全体像を示すべく、Nianticは、地図を読むだけの2Dのウェイファインディングから実際にその場にいるように感じられる没入型の3D体験への移行という、複合現実デバイスを扱う現在および将来の世代にとって必要なマップに関するビジョンを共有しました。
Nianticには、創業以前からマップやロケーションベースのエクスペリエンスを構築してきた豊富な実績があります。 KeyholeからGoogle Earth、Google Maps、そして最初のNianticゲームまで、デジタルマップの構築と活用は私たちの業務に欠かせないものでした。 携帯電話に加え、新興のヘッドマウントディスプレイも利用するなど、人々が世界を体験する方法に進展が見られる今日、Nianticが構築を進める新しいタイプのマップが求められています。 私たちはこれを第3世代マップと呼んでおり、コア要素の多くは開発済みですが、没入型のロケーションベースのエクスペリエンスを創出するツールなど、他の要素の構築にも引き続き取り組んでいます。
Niantic Studio
Niantic Studioのパブリックベータ版が発表されたことで、開発者は従来とは大きく異なり、高度に視覚化された動的なインターフェースで没入感のある3DおよびXRエクスペリエンスを構築できるようになります。 Studioは、経験豊富な開発者の複雑化する開発をサポートする強力な機能を内蔵しており、携帯電話やXRヘッドセットでのより没入感のあるXRエクスペリエンスの構築を可能にします。 このアップデートには無料でも使用できる新しい価格設定モデルも含まれるなど、透明性と柔軟性に優れる価格設定オプションが用意されており、独立したクリエイターから大企業までさまざまなニーズに応えます。
Niantic Studioの最初のリリースのハイライトは次のとおりです。
- 動的なビジュアルインターフェース:すべてのツールと機能をワンクリックで利用可能で、包括的な3Dワークスペースで合理化されたワークフローを作成できます。
- シームレスな統合:物理特性、カメラ、照明、アニメーション、パーティクル、オーディオ、ゲームトリガーなどの複雑な機能と洗練されたグラフィック要素を統合します。 リアルタイムで3D空間のアセットを追加または調整したり、シーンを操作したりできます。
- 強力なWebゲームエンジン:エンティティ、コンポーネント、システムなどの使い慣れたゲームパターンを使用して、インタラクティブなXRエクスペリエンス、3D Webゲーム、またはプロトタイプを構築します。
- 編集可能なライブ再生とシミュレーション:再生モードでは、プロジェクトの編集中にライブプレビューを行うことができ、自動的に保存されるため、迅速な反復作業が可能になります。
- 広範囲にわたるカバー:「一度構築すれば、どこにでもデプロイできる」機能により、一度の構築でデスクトップ、携帯電話、XRヘッドセットにわたるプロジェクトをサポートします。
Scaniverseはガウススプラッティングを活用して3Dスキャンをより簡単に
NianticはScaniverse,の出力オプションとしてガウススプラッティングを組み込み、デバイス上での処理を高速化するボリュームレンダリング手法を導入しました。 この画期的な技術により、現実世界の場所や物体を高速スキャンし、携帯電話から直接共有できるようになります。 近日公開予定のNiantic Studioでは、ユーザーは世界中の場所に正確に結び付けられたこれらの3Dアセットを追加または編集できます。 iOSとAndroidの両方で利用可能で、今年後半にはScaniverseの機能をさらに拡大していく予定です。
**新しいマップの中核となるVPS **
Nianticの新しいマップの中核となるのは、センチメートル単位の精度と、ユーザーの行動に基づいてデジタルコンテンツを維持および変更する機能を備えたVisual Positioning System(VPS)です。 NianticのVPSは、主にNianticゲームのプレイヤーから送信された数百万ものスキャンの処理を基盤としており、継続的な体験を可能にするために、25万を超える高品質のVPS地点を主要な都市部の人通りの多いエリアに有しています。 ここ数か月、Nianticのマッピングチームはパイプラインシステムの改善と高速化を進め、毎日数千の新しい地点をマップに追加できるようにしており、2024年内には地点数が100万に達する見込みです。
空間コンピューティングハードウェアの未来を生きる
空間コンピューティングと複合現実体験をサポートするヘッドセットの発展により、Nianticは消費者と企業のどちらのユースケースにも対応する未来を切り拓くことができます。
- Meta Quest:Hello Dotは、Meta Quest App Labで最近披露されたNianticのPeridotをベースにした複合現実体験です。
- Apple Vision Pro:今月初め、NianticのパートナーであるReality Crisisが、Apple Vision Pro向けのSkatrix Proの最新アップデートをリリースしました。 この新しい体験により、Apple Vision Proの浮遊するスケートパークから抜け出し、スケーターは椅子やテーブルからグラインドできるあらゆる縁まで、室内のあらゆる表面を使用できるようになります。
- Magic Leap 2:AWEでは、Magic Leap 2で動作するNianticのVPSのデモを初めて公開しました。 興味をお持ちの開発者の方はライベートベータ版 にサインアップしていただけます。
**近日公開 **
2024年後半、NianticはScaniverse、Niantic Studio、VPS、マップの新しいアップデートをリリースするとともに、コンテンツやツールに関するその他の新たな開発も進めていく予定です。 AWEのNianticブースでARと空間コンピューティングの未来をご自分の目で直接ご覧になり、製品ページからNiantic Studioの最初のバージョンをダウンロードしていただけます。これからどのように発展していくかご注目ください。