Niantic Real World Platform が新しい名前「 Niantic Lightship (ライトシップ)」になりました。また、日本では昨年12月にアルファ版の事前登録をご案内をしましたが、今回は、没入感をもたらすユニークなARアプリケーションの作成ができる「 Niantic Lightship ARDK (AR開発者キット)」のプライベートベータ版をご案内します。
マッピングや共有、地球規模の AR 体験の業界標準ツールとなる「 Niantic Lightship 」は、『 Ingress 』や『 Pokémon GO 』などの既存のタイトルや、任天堂社と開発中の新しい『ピクミン』をベースとしたアプリなど、Niantic が開発・提供するタイトルを動かす一連のツールやサービスを含めた Niantic のプラットフォーム全体をカバーしています。
「 Niantic Lightship ARDK 」は、開発者がマルチプレイヤー体験を作成し、深度、物理、オクルージョン、セマンティックセグメンテーションを用いて、リアルなAR体験を実現するパワフルなツールセットです。
「 Niantic Lightship ARDK 」プライベートベータおよび Niantic Publishing についてご興味のある方は Niantic.dev からご登録ください。
「 Niantic Lightship ARDK 」
数ヶ月前にプライベートアルファとして Niantic の ARDK をご案内して以来、ゲームを始め、さまざまな分野の開発者の方々と Niantic のエンジニアチーム、製品開発チーム、サポートチームが共同し、Niantic の技術で実現できることの限界を試してきました。この過程で、開発者の方々から「Niantic Lightship」プラットフォームの AR ツール、機能、ドキュメント、コア機能を形成するためのフィードバックをたくさんいただきました。これを踏まえ、今回の「 Niantic Lightship ARDK 」プライベートベータ版には以下の 3 つの主要分野の強化を含む多数の最新ツールを組み込みました。
高度なメッシングによるリアルタイムのマッピングがスマートフォンカメラの技術とニュートラルネットワークとを結びつけ、空間をテッセレーションした三角形のメッシュにマッピングして、物理的な世界を機械的に読み取り可能な形にします。「 Niantic Lightship ARDK 」はメッシングによって仮想オブジェクトに「物理」を実現しています。
ベータ版になって改良されたセマンティックセグメンテーションは、地面、空、建物など、空間のさまざまな特徴を区別し、仮想オブジェクトをその空間でリアルに見たり、感じたり、動かしたりすることが可能です。「 Lightship 」は空間のさまざまな屋外オブジェクトを自動的にセグメント化し、ARコンテンツの比表面積との相互作用を可能にします。
マルチプレイヤー機能を強化したことで、コロカリゼーション、ネットワーキング、同期が改善され、最大 8 人のプレイヤーが同時に同じ現実世界の空間で同じAR体験を共有できる、没入感のあるマルチプレイ体験を実現できるようになりました。P2P 型のメッセージ機能とバックエンドのサーバー機能が内蔵されているため、開発者の方々はプレイヤーが共有する体験の作成の開発に注力いただけます。このようなコンテンツのアンカリングは現在のところ一時的なものですが、長期的な仮想コンテンツのアンカリングにより、長く利用できる次世代の AR 体験を作成いただけるようになると考えています。
「 Niantic は新しいタイプの没入感のある AR 体験を実現するために、プレイヤーの方々のご協力を得ながら世界の 3D マップを作っています。「 Niantic Lightship ARDK 」の豊富な開発ツールにより、あらゆる開発者の方々がそれぞれが考えるユニークな体験を創造いただけるようにしたいと考えています。」
プロダクトマネジメント シニアバイスプレジデント 河合敬一
「 Lightship ARDK 」の特徴
AR 空間における基礎的な技術であるメッシングですが、Niantic は一般的なスマートフォンカメラを利用することで、あらゆるデバイスでメッシングを可能にしました。一部の高性能なデバイスでしか利用できない LiDAR スキャナーを必要とせず、一般的なカメラに搭載されている RGB カラーセンサーを使ってメッシュを作り出します。このメッシング技術によって、プレイヤーの周辺環境をスキャンし、リアルタイムに 3D マップを作成します。これにより「 Lightship プラットフォーム」のあらゆる体験において仮想コンテンツを適切な物理的場所に配置し、現実世界の環境と開発者の環境から得られるコンテキストを組み合わせることができます。Niantic のメッシングに対する歴史は会社の初期にまで遡り、ここ数年に行った Matrix Mill や 6D.ai などの買収の成果も現在の技術に組み込まれています。
Niantic のこの技術は、iPhone 12 Pro モデルを含む LiDAR を搭載したスマートフォンともシームレスに調和します。「 Niantic Lightship ARDK 」を使用する開発者はデバイスの種類を気にすることなく、ダイナミックなマップを作成し、あらゆるハードウェアにおいて最高の体験を生み出すことができます。
今後の展望
Niantic は世界の 3D マップを作ることで、AR の未来をより完全に実現できると考えています。これをゴールに、仮想測位システム( VPS )と位置情報、持続的なコンテンツアンカリングを正確に活用し、世界中で利用できる AR 体験を作り出すことができる高度なツールを構築しています。
開発者やブランド、クリエイターの方々と協力し、それぞれの目的に沿い、利用者の方々に価値を届けることができる AR アプリの作成を目指しています。皆さんのパートナーとして、どのようなものが作り出されるかを楽しみにしています。
–Niantic Lightship チーム